結局、中3全員を相手に一時間の質問タイムは時間いっぱいだった。
宿題と題した質問作成を一人残らずやってきた受験生たちからは自分自身に向き合う真剣さが伺えた。
どんな質問に対しても、飾ったものではなく自らの経験から丁寧に絞り出された言葉を返す先輩たちは一年前とは別人かと見紛う成長が感じられた。
静けさ中、小さな声でとつとつと語る先輩たちに瞬きを忘れ耳を傾ける後輩たち。
一年間毎日自学を完遂した彼らからの「先生たちを信じて…」は我々でさえ胸に来るものがあった。
勉強に全てを捧げてきた彼らからはついぞ否定的な言葉が出ることは無く、その顔には誇りと清々しささえ漂う。
あの一年は、あの一心不乱な一年は彼らを大いに成長させる。
この経験を全ての子どもたちに、と再確認した時間だった。