南陽・紫野・山城・城南菱創を徹底比較
高校受験は、「偏差値が高い高校を選べばいい」というものではありません。
高校によって、学ぶ内容、校風、大学進学への考え方、探究活動、そして入試で評価されるポイントは大きく異なります。
さらに、2027年度(令和9年度)の京都府公立高校入試から、入試制度が大きく変わります。
これまで以上に、
「この高校は、どんな生徒を求めているのか」
「自分の強みを、どのように評価してもらえるのか」
という視点が重要になります。
そこで第2弾では、第1弾の堀川・西京・嵯峨野・桃山に続き、
- 京都府立南陽高等学校
- 京都市立紫野高等学校
- 京都府立山城高等学校
- 京都府立城南菱創高等学校
の4校を取り上げます。
今回は単純な「偏差値ランキング」ではなく、
「2026年度までの進学実績」→「学校の特色」→「2027年度入試」→「どんな生徒に向いているか」
という視点から整理します。
情報について
本記事は、2026年8月23日時点で京都府教育委員会、京都市教育委員会、各高校が公表している資料等をもとに、進学塾湊が独自に整理・分析したものです。
2027年度入試について、今後正式な募集要項等で内容が確定・更新される場合があります。出願・受検にあたっては、必ず各教育委員会および各高校が発表する最新情報をご確認ください。
まず知っておきたい「2027年度入試」の大きな変化
2027年度から、京都府公立高校の入試制度が大きく変わります。
新制度では、前期選抜・後期選抜を基本とし、前期選抜では学校・学科の特色に応じて「独自枠」「共通枠」などを組み合わせた選抜が行われます。
京都府教育委員会は、2027年度入試について「前期選抜・独自枠」の学校別概要や検査項目概要を公表しています。
つまり、これまで以上に、
「偏差値が○○だから、この高校」
だけではなく、
「自分の得意なこと・好きなこと・伸ばしたい力を評価してくれる高校はどこか」
という考え方が重要になります。
4校を比較すると
| 南陽 | 紫野 | 山城 | 城南菱創 | |
|---|---|---|---|---|
| 設置 | 京都府立 | 京都市立 | 京都府立 | 京都府立 |
| 最大の特徴 | 理系・探究・研究 | 国際・多様性・自由 | 文武両道・活発な学校生活 | 単位制・進路に合わせた学び |
| 教育のキーワード | 研究する | 世界とつながる | 高校生活を楽しむ | 自分で学びを設計する |
| 大学進学 | 非常に高い | 高い | 高い | 高い |
| 理系志向 | 非常に強い | 強い | 強い | 強い |
| 探究 | 非常に強い | 非常に強い | 強い | 強い |
| 国際性 | 強い | 非常に強い | 強い | 標準的 |
| 部活動・行事 | 活発 | 非常に活発 | 非常に活発 | 活発 |
※教育内容・進路実績等をもとにした進学塾湊独自の整理です。
① 京都府立南陽高等学校
「研究する高校」
南陽高校を単に、
「大学進学に強い高校」
と紹介するだけでは、その魅力を十分に伝えられません。
南陽高校の大きな特色は、
高校生の段階から「研究する」ことを経験できること
です。
特にサイエンスリサーチ科では、理数分野を中心に探究的な学習を行い、大学・研究機関等との連携も活用しながら学びを深めています。
「理科が得意」だけではなく、「なぜ?」が好きな生徒へ
南陽高校の魅力は、単に理科・数学の授業が多いことではありません。
自分でテーマを考え、
調べる
↓
仮説を立てる
↓
研究する
↓
結果を分析する
↓
発表する
という、研究そのものに近い学びを経験できることです。
そのため、
- 実験が好き
- 「なぜ?」を考えることが好き
- 一つのテーマを深く掘り下げたい
- 将来、理系分野を専門的に学びたい
という生徒との相性が非常に良い高校です。
大学進学実績
南陽高校は、2026年4月に令和7年度卒業生の大学等合格状況を学校公式サイトで公表しています。さらに最近5年間の合格状況も公開しています。
2026年度の実績では、
国公立大学 234名
関関同立 407名
という高い合格実績があります。
主要大学では、
- 京都大学 5名
- 大阪大学 3名
- 神戸大学 6名
- 大阪公立大学 10名
などの合格者が出ています。
また、関関同立についても、
- 同志社大学 59名
- 立命館大学 106名
- 関西大学 54名
- 関西学院大学 15名
という実績があります。
※大学別合格者数は延べ人数を含む場合があります。
こんな生徒におすすめ
◎ 特におすすめ
- 理科・数学が好き
- 実験が好き
- 「なぜ?」と考えることが好き
- 自分で研究してみたい
- 将来、理系分野に進みたい
- 国公立大学を目指したい
進学塾湊の見方
南陽は、
「大学に行くために勉強する」
だけではなく、
「大学で何を研究するのか、その入口を高校で経験する」
というところに魅力があります。
特に、
「高校生のうちから本格的な探究をやってみたい」
という生徒なら、ぜひ候補に入れてほしい高校です。
② 京都市立紫野高等学校
「世界とつながる高校」
紫野高校は、
「自由な校風」
という言葉で紹介されることが多い高校です。
しかし、紫野の魅力はそれだけではありません。
紫野高校の大きな特色は、
「多様な価値観に触れながら、自分の世界を広げていくこと」
にあります。
国際的な視野を育てる教育や、多様性を尊重する学校文化を大切にしています。
「英語が得意」だけではない
紫野で大切なのは、英語の知識だけではありません。
異なる価値観を持つ人と関わり、
考える
↓
話す
↓
伝える
↓
協働する
という力を育てていきます。
特に国際・探究分野に関心のある生徒にとって、特色のはっきりした学校です。
大学進学実績
紫野高校については、現時点で確認できる公開集計では2025年度実績が中心です。2026年度実績については集計が進行中とされています。
2025年度では、
国立大学 29名
関関同立 239名
という実績があります。
主な国立大学では、
- 神戸大学 2名
- 筑波大学 1名
- 金沢大学 2名
- 広島大学 2名
など。
私立大学では、
- 同志社大学 53名
- 立命館大学 140名
- 京都産業大学 184名
- 龍谷大学 166名
- 近畿大学 59名
などの合格者が確認されています。
※2026年度実績については、学校等からの最新公表資料を確認したうえで更新する予定です。
こんな生徒におすすめ
◎ 特におすすめ
- 英語・国際分野が好き
- 海外に興味がある
- 自由な校風が好き
- 人と話すことが好き
- 自分の意見を持っている
- 探究活動に興味がある
進学塾湊の見方
堀川が、
「深く考える」
西京が、
「考えて行動する」
南陽が、
「研究する」
とするなら、
紫野は、
「世界とつながりながら、自分の考えを広げる」
というイメージです。
③ 京都府立山城高等学校
「高校生活を丸ごと楽しむ進学校」
山城高校は、今回の4校の中では、
「高校生活そのもの」
を大切にしたい生徒に特に注目してほしい高校です。
山城高校自身も「進化し続ける伝統校」を掲げ、普通科・文理総合科の双方で主体的な学びと進路実現を目指しています。
「勉強か部活か」ではなく「勉強も部活も」
山城高校の魅力を一言で表すなら、
文武両道
です。
部活動、学校行事、勉強。
どれか一つだけではなく、
高校生活そのものを充実させながら、大学進学も目指す
というタイプの学校です。
実際に、学校公式の2026年版スクールガイドでも、令和7年3月卒業生について国公立4年制大学103名、私立4年制大学1,103名(いずれも現役生延べ人数)が掲載されています。
山城のもう一つの顔
山城は「部活動が盛んな高校」というだけではありません。
探究活動や科学・国際的な学びにも取り組んでいます。
例えば、外国人研究者を招き、英語で研究内容や文化について学ぶ「サイエンス・ダイアログ」も実施されています。
つまり、
「高校生活を楽しむ」
と
「学びを深める」
を両立させる学校です。
大学進学実績
学校公式の2026年版スクールガイドでは、令和7年3月卒業生について、
国公立4年制大学 103名
私立4年制大学 1,103名
の合格実績が掲載されています。いずれも現役生の延べ人数です。
関関同立では、
- 同志社大学 57名
- 立命館大学 155名
- 関西大学 116名
- 関西学院大学 9名
で、
関関同立 337名
となります。
さらに、
- 龍谷大学 195名
- 京都産業大学 155名
- 近畿大学 139名
など、近畿圏の主要私立大学にも多数の合格者を出しています。
こんな生徒におすすめ
◎ 特におすすめ
- 部活動を頑張りたい
- 学校行事も楽しみたい
- 仲間と何かをするのが好き
- 勉強も頑張りたい
- 大学進学も妥協したくない
- 活発な学校生活を送りたい
進学塾湊の見方
山城は、
「大学合格実績だけで高校を選びたくない」
という生徒に、ぜひ見てほしい高校です。
高校3年間を、
勉強だけで終わらせたくない。
でも、
大学受験も頑張りたい。
そんな生徒にとって、
「青春」と「進学」の両方を狙える高校
というのが山城の大きな魅力だと思います。
④ 京都府立城南菱創高等学校
「自分で学びを設計する高校」
4校の中で、特に特徴的なのが城南菱創です。
その大きな特徴の一つが、
単位制
です。
城南菱創には普通科と教養科学科があり、それぞれの進路や興味に応じて学びを深めていくことができます。
「みんなと同じ」から少し離れて学ぶ
一般的な高校では、
「この学年ならこの授業」
という共通の時間割が中心になります。
城南菱創では、
「自分の進路や興味に合わせて学びを組み立てる」
という考え方があります。
そのため、
自分は何を学びたいのか
を考えながら高校生活を送ることができます。
教養科学科は「専門的に学びたい」生徒へ
教養科学科では、人文・社会科学、自然科学などの分野に目を向け、課題研究などを行います。
また、城南菱創では平日・土曜日の進路対策講座、補習、模試などを通して大学進学をサポートしています。
大学進学実績
城南菱創高校は、2026年5月に令和7年度(17期生)合格実績を学校公式サイトで公表しています。
2026年度の実績では、
国公立大学 169名
関関同立 344名
という実績があります。
主要国公立大学では、
- 京都大学 2名
- 大阪大学 4名
- 神戸大学 5名
- 大阪公立大学 7名
などの合格者が出ています。
関関同立では、
- 同志社大学 36名
- 立命館大学 89名
- 関西大学 40名
- 関西学院大学 4名
となっています。
さらに、
- 京都産業大学 31名
- 近畿大学 138名
- 龍谷大学 175名
などにも合格者を出しています。
こんな生徒におすすめ
◎ 特におすすめ
- 興味のある科目を深く学びたい
- 自分の進路に合わせて学びたい
- 将来の目標がある
- 文系・理系の専門分野に興味がある
- 探究活動が好き
- 指示されるより自分で考える方が好き
進学塾湊の見方
城南菱創の魅力は、
「偏差値が高いから行く」
というところにはありません。
むしろ、
「自分が何を学びたいのか」が見えている生徒ほど、魅力を感じる高校
です。
南陽が、
「研究する高校」
だとすれば、
城南菱創は、
「自分の進路に合わせて、学び方を組み立てる高校」
というイメージです。
4校の進学実績を数字で比較すると
今回の4校は、単純な偏差値だけでなく、大学進学実績にもかなり違いがあります。
| 南陽 | 紫野 | 山城 | 城南菱創 | |
|---|---|---|---|---|
| 国公立大学 | 234名 | 29名※ | 103名 | 169名 |
| 関関同立 | 407名 | 239名※ | 337名 | 344名 |
| 京都大学 | 5名 | ― | ― | 2名 |
| 大阪大学 | 3名 | ― | ― | 4名 |
| 神戸大学 | 6名 | 2名 | ― | 5名 |
| 大阪公立大学 | 10名 | ― | ― | 7名 |
※紫野は現時点で確認できる2025年度公開集計。2026年度実績は現在収集中。
※山城の国公立103名は令和7年3月卒業生の現役生延べ人数。私立大学についても延べ合格者数です。
※大学別合格者数は、学校によって「現役のみ」「既卒を含む」など集計方法が異なる場合があります。単純比較には注意が必要です。
4校を「こんな生徒なら」で考える
「研究したい」
→ 南陽
「なぜ?」を突き詰めたい。
実験したい。
研究したい。
将来、理系分野を専門的に学びたい。
「世界を広げたい」
→ 紫野
英語が好き。
海外に興味がある。
いろいろな価値観に触れたい。
自分の考えを人に伝えたい。
「高校生活を思い切り楽しみたい」
→ 山城
部活動を頑張りたい。
行事も楽しみたい。
友達と高校生活を楽しみたい。
でも大学進学も頑張りたい。
「自分で学びたい」
→ 城南菱創
興味のある分野を深く学びたい。
自分の進路に合わせて科目を選びたい。
将来の目標がある。
4校を「偏差値だけ」で並べない
今回の4校を見ていると、
「偏差値が近い=似た高校」ではない
ことが分かります。
南陽と紫野では、学校の性格がかなり違います。
紫野と山城も違います。
山城と城南菱創も違います。
だからこそ、
「どこに合格できるか」
だけではなく、
「どんな3年間を送りたいか」
を考えて高校を選んでほしいと思います。
2027年度入試で重要になる「高校との相性」
2027年度から京都府公立高校の入試制度が変わります。
学校・学科によって、共通の学力検査に加えて独自の検査などを組み合わせる仕組みとなります。
京都府教育委員会は、2027年度入試に向けた独自枠の学校別概要や検査項目概要を公表しています。
つまり、
「学力が高ければ、どの高校でも同じように評価される」
という考え方ではなく、
「その高校が求める力を、自分が持っているか」
という視点が、今まで以上に重要になります。
進学塾湊が考える「4校の選び方」
例えば、
理系研究が好き
→ 南陽
英語・国際・発信が好き
→ 紫野
部活と学校行事を大切にしたい
→ 山城
自分の進路に合わせて学びたい
→ 城南菱創
というように、
同じ「上位校」でも、選ぶ理由はまったく違ってきます。
だから、
「偏差値ランキング」ではなく、「自分との相性」で高校を見る。
これが、これからの高校選びではますます重要になると考えています。
受験生・保護者の方へ
高校選びで、
「この偏差値なら、この高校」
と決めてしまうのは、少しもったいないと思います。
高校には、それぞれ違った魅力があります。
研究を深く掘り下げる高校。
世界とつながりながら学ぶ高校。
部活動や行事と勉強を両立する高校。
自分の進路に合わせて学び方を選ぶ高校。
大切なのは、
「どの高校が一番上か」ではなく、
「この子が3年間で一番成長できる高校はどこか」
です。
2027年度から京都府の公立高校入試は変わります。
だからこそ、
「合格できる高校」ではなく、
「自分が成長できる高校」を選ぶ。
これからの高校受験では、この視点を大切にしてほしいと思います。
進学塾湊では、今後も高校受験情報を更新します
第1弾では、
- 堀川
- 西京
- 嵯峨野
- 桃山
を取り上げました。
第2弾では、
- 南陽
- 紫野
- 山城
- 城南菱創
を取り上げました。
今後も、
- 洛北
- 鳥羽
- 日吉ケ丘
- 開建
- 京都工学院
- 桂
- 洛西
などについて、2027年度入試制度、学校の特色、進学実績、倍率などを順次整理していきます。
そして最終的には、
「京都の高校を、偏差値だけでなく、教育内容・入試制度・進学実績・学校との相性から比較できるデータベース」
を作っていきたいと考えています。
情報について
本記事は、2026年8月23日時点で京都府教育委員会、京都市教育委員会、各高校が公表している資料等をもとに、進学塾湊が独自に整理・分析したものです。
南陽高校は2026年4月に令和7年度卒業生の合格状況を、城南菱創高校は2026年5月に令和7年度(17期生)の合格実績を、山城高校も令和7年度卒業生の進路結果を、それぞれ学校公式サイトで公表しています。
一方、紫野高校については、現時点で2026年度の大学合格実績が十分に公開・集計されていないため、本記事では確認できる2025年度の数字を明示して掲載しています。
2027年度入試については、今後正式な募集要項等で内容が確定・更新される場合があります。
出願・受検にあたっては、必ず京都府教育委員会、京都市教育委員会および各高校が発表する最新情報をご確認ください。
また、偏差値は模試・媒体によって数値が異なるため、本記事では難易度の目安として扱っています。合格可能性を保証するものではありません。

