娘が生まれたら甘々の父親になるんだろうなと思っていて、そうなるはずだったのだが、そうはならなかった。
食事は正しい姿勢でとること、左右を見ずに飛び出さないこと、相手の話を待つこと、挨拶をした方がよいこと、数え上げればキリが無いほど日々娘に対して話をしている。
「ただ注意する」という冷たい行為にならないように、大切な話は抱っこをしながらするという予防線を張りながらであるが、理想としていた甘々とはかけ離れた自らの姿にトホホである。
しかし、そんな自分も有りか、むしろ当然だと思い始めている。
親とは、世の中で一番我が子を愛していて、誰よりも期待していて、誰よりも幸せを願う存在なのだから、そんなものは当然だろうと。
娘であれ息子であれ、父親からは一定の距離を置くようになり、子は皆、母親に還る。
親父としての役割であり大切なのは、我が家において何が大切なことなのか、愛する我が子にどういう人間になってほしいのかを伝え続けることだと思う。
嫌われても、距離を置かれても、愛していることが明確に伝わる言葉や行動をもって。