嬉しいことに、高校になったあとも引き続き湊に通ってくれる生徒が増えてきたが、やはり中学生のときの勉強との向き合い方、特に、受験生期をどう過ごしたかが、高校生なった今、歴然とした差として出てきているように思う。
差が出る点は、全力を尽くしたかそうでないかだ。
全力を出さずになまじ合格してしまうと、力を抜いてもうまくいくことがあるという、まさに百害あって一利無しな教訓を学んでしまうことになりかねない。そして、高校でも、ひいては大学入試でも、根拠の無い自信と淡い期待を抱いてしまう。
生徒本人の人生だから、どこかで頭を打てばという意見ももちろんあるだろう。しかし、全ての人間が人生一年生で、全ての経験が一生に一度のもう二度と無いものだからこそ、先に生まれた者として力になりたいと思う。
生徒たちが最終的に選ぶ高校はどこでもいい。公立・私立、偏差値、男子校女子校、家からの距離、制服、高校を選ぶ基準はいくらでもあるし、それは一人ひとり違って当たり前である。
ただし、最終的にどこを受験校とするか、そして、その結果がどうであれ、15歳という初めて自らの人生を選択するタイミングで、時間も努力も、その生徒が持ちうる全てを尽くして受験に挑ませたいところだ。