大学入試は依然継続中であるが、合格が決まった瞬間からピタっと塾に来なくなる生徒がいる。
すっかり勉強を忘れてしまって、やりたいことを思う存分やって、と思うかもしれないが、そうではない。
合格発表の次の日からも次の目標に向かって勉強を続けたいのだが、合格した自分から滲み出る、少しの余裕や緩みが他の受験生に与える影響を考えてのことらしい。
そんな子だからそのまま自習室で勉強を続けても良いようなものだが、受験生だったからこそ、逆の立場ならと極めて高い解像度で人の気持ちが推し量れるのであろう。
まさに、この心の機微には真剣に挑んできた者にしか気付けないことだと思う。
久しぶりに受験生専用部屋ではない自習室で、自習を終えた彼女が一言、「寂しすぎました…」とのこと。
毎日頑張る仲間たちに思いを馳せてくれてありがとうね。
湊に100ほどある自習席のどれを、いつ使ってもいいからね。

