今日も自習部屋はいっぱいだった。
遅れて来た何人かの高校生は、中学生の授業部屋の隅で、自習部屋と同じ集中力で机に向かう。
湊の生徒たちは、中1・中2で年4回の一心(2週間の毎日通塾)、中3での日曜を除く年間通塾を経験する。
集団生だろうと、個別生だろうと、勉強が得意であろうと、苦手であろうと、湊に通う生徒全員だ。
そして、継続して通っている高校生たちはもちろん、中3で卒塾していった生徒たちからも、2週間前くらいになると「使わせてもらっても良いですか?」というLINEが入ってくる。
答えはいつでも「もちろん、よろこんで」
元教え子だった生徒たちにまた会えること、高校にいっても引き続き頑張っている姿を見られることはスタッフたちにとっても何よりも喜びだから。
確かに、一年間、最後まで嫌々勉強に耐えて受験に臨み、合格したら勉強のことなどさっぱりと忘れてしまう生徒も少なからずいる。
でも、多くの生徒は、一年間でまるで歯みがきやお風呂と同じくらい当たり前に行うようになった勉強という行為を、また当たりまえに続けていく。
ただ入試のため、合格という目的のためだけの限られた付き合いなら、この仕事にこんなに真剣にはならない。
彼ら彼女らの大切な人生の一ページに湊が記されることを光栄に思う。
そして、湊に通うことを通して、物事への向き合い方、人生において大切な何かを学んでくれることを願って、今日も明日も真剣にこの仕事に向き合う。