今は無きブロックバスターが全盛だったころ。
カルガリーのダウンタウンから夜帰る方法が無くなって歩いたことがある。
昼はバスに乗っていたから大した距離だとは考えていなかった。
実際に歩き始めてみると歩けど歩けどホームステイ先に辿りつかない。
外は真っ暗で気温はマイナス20度。
途中で見つけるコンビニに立ち寄ってはコーヒーで体を温めながら3時間ほど歩いた。
寒くて途方に暮れて何度か泣きそうになったが歩くしかなかった。
ようやく着いたときには足の感覚が全くなかった。
その日から1枚の20ドル紙幣をお守りとして財布に忍ばせている。
その日財布に入れていた20ドル紙幣。
もう15年ほどになる。
今年もお守りとして一人の生徒に渡せた。
人事を尽くした生徒に天命を願って渡すことにしている。
ベストが尽くせることを祈っています。